アマチュアによるサービス&コンテンツ提供の「場」に対する愛から生まれる不平不満は是か非か

「文句言うならお前がやってみろよ!」
この定型句が正しいか正しくないかは、場合によって違います。
例えば、提供者に対して、対価を払ってサービスなりコンテンツなりを受けた場合、享受者(いわゆる「お客さん」)の方には文句を言う権利が、当然ながらあります。映画館で2000円払って見た映画が糞つまらなかったら文句を言ってもいいのです。その文句に対してその映画の監督が「文句言うならお前が作ってみろよ!」とか言い出したら、彼は映画監督を問答無用で失格です。なんせプロですから。しかし、アマチュアの土俵の上でこちらが一方的に享受している場合は、タダでサービスorコンテンツが提供されていることに感謝こそすれ、文句を言うのは普通は筋違いでしょう。
例えばニコニコ動画とかで「つまんね」に対しての「文句言うならお前が云々」は、かなり真っ当な意見だと思います。ニコニコ視聴者は動画製作者に対して対価を払っているわけではないので、その動画が面白かろうががつまらなかろうが、視聴者には別に直接のデメリットは無いわけですから。さらに、「お前がやってみろよ」はうp主(提供者)も視聴者(享受者)も同じアマチュア土俵に立っているニコ動においては当然の意見と言えるでしょう。
ですが、やっぱりそれでも文句を言いたくなる人は後を絶ちません。何故か。それは彼らがそのサービス&コンテンツを提供してくれる「場」に対する愛を持っているからでしょう。その「場」とは例えばダイナマ板でもいいし、ニコ動でもいいわけですが、その「場」において「ダイナマおわったな」「最近のニコ動はゆとりばっかでつまんね」と言っている人たちが、実は一番その「場」を愛している可能性が高いと思います。
例えば今日はダイナマの絵スレがちょっと荒れてましたが、あそこで荒らしさんが言いたかったのは「絵が下手なヤツはうpするとスレのレベルが下がるからうpするな!」ということでした。かなりアレな意見ですが、これはあの荒らしさんが絵スレという「場」が好きで、そこのクオリティを下げる(と荒らしさんが思っている)人たちが許せなかったからこそ、ああいう事を言ったのでしょう。ニコ動に関しても、「1つの動画それそのものがつまらなくても別に構わないけれど、それによって俺の大好きなニコ動全体のレベルが下がるのは困る」と考えているニコ動大好きっ子の人たちが、荒らしや「つまんね」の書き込みをするのだと思います。*1
ですがコレらはあまり良いやりかただとは思えません。絵スレのレベルを上げたければ自分で上手い絵を描いてうpすればいいし、ニコ動を面白くしたいと思うなら、自分で面白い動画をうpすればいいだけのこと。ただ傍観だけしながら文句を言っているよりは万倍は生産的なんじゃないでしょうか。まさに「文句言うならお前がやってみろよ」って感じです。

*1:ちなみに「文句言うなら見なけりゃいいじゃん」周辺にも同様のロジックが働いてると思います。